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韓国の素晴らしいアルバム | 韓国インディー異常なし

 

 

こんにちは、引越しおばさんです。

ということで、今回は「韓国の素晴らしいアルバムたち」をいくつかご紹介したいと思います。どれも良い作品なのでぜひ聴いてみてください。

個人的な選抜なので歴史的意義などは鑑みていないことをご了承ください。そういうのは幻の名盤解放同盟とがやってるので。そして、皆さんもぜひ自身で選んで、ツイートしたりブログに書いたりしてみてください。読むので。それではレッツゴー!

 

 

youra & Mandong - The Vibe is a Chance

 

シンガーソングライターのyoura(ユラ)とスリーピースバンドMandong(マンドン)の共作。とにかく渋いサウンドにyouraの蠱惑的なボーカルが合わさった唯一無二の作品です。MandongのベーシストNam Songhyun(ナム・ソンヒョン)はyouraの「(1) / 꽤 많은 수의 촉수 돌기」にも参加しており、そちらもとても良いアルバムなのでぜひ。

 

 

fromis_9 - Unlock My World

 

ガールズグループfromis_9(プロミスナイン)による、デビュー6年目にしてついに出された1stフルアルバム。ハウスやガラージ、ディスコファンクにR&Bなど数多くのジャンルを横断しながら凄まじい強度でまとまられており、それはまるで様々なジャンルを吸収し成長した、ある種ごった煮とも言えるKPOPというジャンルにおける一つの到達点のよう。KPOPという歴史の帰結としてこのアルバムが生まれたと考えると涙を流さずにはいられません。

 

 

Kim Oki - Greeting

 

アンビエントな雰囲気を漂わせながら織りなす幽玄な世界は静かに眠りに落ちていくように美しく、しかし軽やかにまとめるバランスが流石です。LeeHi(イ・ハイ)をはじめとする客演のボーカルをまとめ上げるディレクションも素晴らしく、Kim Okiの多才さが伺えます。

 

 

NCT 127 - 2 Baddies

 

え、これ嫌いな人います……?

 

いないですよね。

SMe所属、NCT 127による4作目のフルアルバム。鷹の鳴き声(?)に始まりを告げ、1曲目のテンションはそのままアルバムと同名でありタイトル曲でもある2 Baddiesへと開いていきます。SMeらしいエグ味のあるオルタナR&Bから流麗なバラードR&Bまで、12曲の中で多様な姿を見せながらもそのすべてが一切の無駄なく存在しており、それを統一するのは彼らの豊かなボーカルの力。音楽に真摯に向き合ってきた彼らだからこそ成し得る、歴史と愛の詰まった厚い作品です。リパッケージアルバムにあたる『Ay-yo』も良い作品。

 

 

LOONA / ODD EYE CIRCLE - Max & Match

 

先日6年ぶりに新曲をリリースしたことでもお馴染みのLOONA / ODD EYE CIRCLE。もちろんそちらも素晴らしかったですがやはりMax & Matchは外せない。プロデューサーのJaden Jeong(チョン・ビョンギ)が得意とする、そしてLOONAを印象付けるフューチャリスティックなシンセサウンドが秘密の箱庭を展開していきます。最近知ったのですがこのアルバム、RYMの韓国チャートでベスト3に入ってるんですね……。事実その評価に値する名盤だと思います。

https://rateyourmusic.com/charts/top/album/all-time/loc:south-korea/

 

 

空中泥棒 / Mid-Air Thief - Crumbling

 

リリースごとに名義を変える謎のアーティスト、空中泥棒の2ndアルバム。SSWのSummer Soulをゲストボーカルに呼んで制作された全8曲はそのどれもが衝撃的なクオリティを保っています。宅録のローファイさと生楽器のような音響を内包した美しいアルバムです。前名義の公衆道徳としてリリースした作品「公衆道徳」も素晴らしい出来で、本当にセンスのいいアーティストなのだなと思います。この後も何度か名義を変えて2作出したところまでは追えているのですが、今は何をしてるのでしょうか?謎に包まれたアーティストです。

 

 

Lang Lee イ・ラン - 신의 놀이 (神様ごっこ)

 

語りともハミングともつかないイ・ランの声と最小限の楽器で形成されたミニマルな構成はそれ自体が言葉としての力を持っているかのよう。音楽でなくてもきっと充分に伝わるであろう確かな詞たちをあえて音楽という形で送り出す、その姿勢にこそイ・ランの本質が隠れているような気がします。どうしようもない運命と、その中でもがく小さな人間。神の遊びに翻弄されるなら、せめて神様ごっこをしてやろう。

 

 

Park Jiha & Roy Claire Potter - To Call out into the Night

 

韓国の伝統的な楽器を用いて音楽制作を行うPark Jihaはたくさんの素晴らしいアルバムをリリースしてきたアーティストですが、中でも作家/パフォーマーのRoy Claire Potterとのライブセッションでもある今作は必聴。アンビエンスかつスピリチュアルな雰囲気を漂わせ、ミニマルなノイズが溶けていく中にRoyの語りがしんと立つ様は一編の詩を読むような美しさに満ちています。

 

 

Lee Jin Ah - Hearts of the City

 

SSWのイ・ジナによる4thアルバム。ジャズへの憧憬を響かせる緩やかなトラックに乗るあどけないボーカルは希望と絶望の交差を軽やかに歌います。曇天のようなたわみが柔らかく、しかし深く突き刺さるよう、鈍さと鋭さを同時に湛えた素晴らしい作品です。

 

 

Yukari - Echo

 

現在はAseul(アスル)名義で活動しているYukariの1st。どこまでも霧散していく身体は無性的で、何物をも拒まない姿が快感ですらある。シューゲイズやエレクトロニックなエッセンスも感じる白昼夢のような音楽はどこか懐かしく、そして新しい音楽体験となってもたらされる……。2012年作ですが、現在でも変わらぬ輝きを放っています。永遠の名盤!

 

 

f(x) - Pink Tape

 

現在はNewJeansを手掛けているディレクターのミン・ヒジンがSMエンタ時代に成し得た最高傑作の一つ。ただ奇を衒うわけでもKPOPの公式をなぞるわけでもない野心的なサウンドが飛び出す姿はまるで玉手箱。少女から大人への過渡期……をディレクションに落とし込んでおり、まあ思うところがないわけではありませんがその手腕は流石のもの。こちらも永遠に色褪せない作品です。

 

 

EXO - LOVE ME RIGHT

 

EXO、もといSMeお得意のこぶしの効いた歌唱が存分に発揮されている垂涎必至のアルバム。R&Bからバラードにクセの強い曲まで、様々な楽曲をアルバムという形で完璧にパッケージングするプロデューサーの手腕とそれをこなすEXOの色彩豊かなボーカルが光る最高の作品です。2ndの(こっちも最高)のリパッケージという形式ながらも曲同士が完璧に作用し合っていて素晴らしい。

 

 

Parannoul - To See the Next Part of the Dream

 

韓国シューゲイザーの金字塔。Pitchforkで高得点を獲得するなど、リリース当時から話題の作品なのでご存知の方も多いのではないかと思います。「リリィ・シュシュのすべて」を引用した、モラトリアム期の青年の鬱屈した感情を轟音に乗せて叫ぶそれは残酷でとても美しい一瞬のきらめきであり、抑えきれない感情の爆発が多くのリスナーに強烈に響くのでしょう。煮え切らない孤独と世界と一体化したような全能感に苛まれる、そんな青春の閃光を落とし込んだすべてが宅録サウンドだというので驚きです。正直後半は冗長な気もするのですが、それも永遠にも感じる夏休みを表しているようで個人的には嫌いではありません。

 

 

KIM SUYOUNG - Round & Round

 

何ともなしに微睡む昼のように、深く柔らかいKIM SUYOUNG(キム・スヨン)のボーカルが美しく響くフォークアルバム。極めて個人的な恋愛と葛藤の物語はそれ故に普遍性を帯び、丸い音像とともに温かく染み込んでいきます。

 

 

f(x) - 4 Walls

 

稀代の大名曲、歴史に名を刻む大名曲、永遠に光り輝く大名曲こと「4 Walls」の名を冠したアルバム。f(x)を象徴するエレクトロニックなサウンドはそのままに、さらに革新的なレベルへと突き進んでいてカッコいい。すべての音が純然たる姿で存在している!

 

 

GWSN - THE PARK IN THE NIGHT part three

 

ポップスの結晶として忘れてはいけないのは1000割ホームラン外れなしでお馴染みGWSN(公園少女)。ストレートにKPOPらしいポップで爽やかなアイドルソングを揃えながら、端々に覗く神秘的な空気が唯一無二の美しさを滲ませる作品です。

 

 

OH MY GIRL - Dear OHMYGIRL

 

春のときめきが詰まったOH MY GIRLのEP。6つからなる彼女たちの物語はそばにいる誰か、幼かった過去の自分、人生を共にするような誰か、どこにいるかもわからないがきっといると信じている誰か、そして、今ここにいる自分という、「他者」との共振・交歓で自らを、そして聞く者の人生を奮い立たせるようで、そんな場所におまごるが私たちを連れて行ってくれたことにただただ嬉しくなります。繊細ながらも挑戦的、おまごるの声の色彩をエクスペリメンタルな音像を以て増幅させるような制作にも涙……。それってきっと信頼の塊、そんな愛にもエンパワメントされるアルバムです。

 

 

MYTEEN - MYTEEN GO!

 

私がK-R&Bを好きな理由はその細やかな手つきなのですが、このアルバムはそんな感じのエッセンスを落とし込んだ良作だと思います。歌詞のしょうもなさは2017年という感じですが、落ち着いた、言い換えれば保守的な雰囲気が今でも色褪せない作品と言えるのではないでしょうか。2作で惜しくも解散してしまったグループですが、どちらも良いアルバムなので聴いてみてください。

 

 

Red Velvet - Perfect Velvet

 

Red Velvetのベルベットな世界が繰り広げられる2nd。キッチュでアイロニックな雰囲気はそのままに刺すような大人びた空気を纏い、ホラーフィルムを観ているような感覚が肌を走るアルバムです。Red Velvetの世界観を体現した素晴らしいアートワークも含め、満足度の高い作品。

 

 

YULEUM - Masks: Side A

 

過剰なボーカルエフェクトや凶悪なサウンド、予測不能な展開はまさにhyper。ヒップホップをベースとしながら様々なサウンドが飛び出し圧倒的なスピードで駆けていく様は性急に感じられますが、何者にも縛られないスピード感が彼の作品の魅力でもあります。作詞作曲編曲のすべてが2009年生まれのYULEUM(ユルム)によって行われたという驚き。制作当時12歳?どういうこと?インスタ(@yuleumhong)を見るとちゃんとガキがいるのでウケますが最新の投稿では結構大人びていてビビります。ガキの成長スピードは早い。

 

 

YUKIKA - SOUL LADY

 

アイマス出身アーティストことYUKIKAによるシティポップの傑作アルバム。羽田から金浦へ飛び……夜のソウルへ降り立ち……束の間のネオンと恋愛に浸り……しかし夜は明け…… 。なんて美しいきらめきを持ったアルバムなんでしょう。一口にシティポップと言えど、80〜00年代頃のアーバンな雰囲気が散りばめられ、様々なジャンルのエッセンスを感じさせる姿はまさにJPOP。そんなポップスの結晶のような音楽を日本人であるYUKIKAが韓国で歌う、その覚悟にこれまた涙を流さずにはいられません。

 

 

JONGHYUN - JONGHYUN The Collection "Story Op.2"

 

SHINeeのジョンヒョンによる4thアルバム。ジョンヒョンの豊かな深みを持った歌声がバラードやR&Bを基調とした叙情的な曲調にゆったりと広がっていく美しい作品です。声の説得力がすごい。

 

 

NewJeans - Get Up

 

PinkPantheressなどを思い出す、サブスク全盛期の現代の潮流に乗った6曲12分という脅威の短さながらも儚げに統一された世界に浮かぶさまざまなサウンドは新鮮で一聴した際の満足感は一入。悔しいけど名盤です。ポケットからキュンです。Get Up36秒って舐めてる?あとジャケットには興味ない感じ?

 

 

boylife - gelato

 

美しく響く打鍵音が名盤の始まりを予感させる、ロサンゼルス在住SSWのデビューアルバム。重厚なハーモニーで広がるコーラスが美しく響き、しかしふと覚えた違和感がどんどん加速していく様はまるで悪夢のよう。コラージュのように飛び出してくる重低音や破裂的なサウンドが恐ろしくも美しい作品です。視聴の際はぜひループ再生をオンにしてお楽しみください。

 

 

以上。このアルバムいいなと思ったら結局黒澤さんのアルバムなんだよな。